アンモニア/アンモニウムの測定のためのよく知られた測光法は正確ではあるものの、かなりの時間を要します (ネスラー法では30分、インドフェノール法では90分の反応時間)。これらのメソッドの更なる短所は、透明な溶液しか測定できないという点です。不透明な溶液は、まず時間のかかる手順を踏んで透明にしなければなりません。イオン選択性アンモニア電極ではこういった問題がありません。廃水、液肥、尿、ならびに土壌浸出液においても容易に測定を実施することができます。特に真水および廃水サンプルに対して、ISO 6778、EPA 350.2、EPA 305.3 ならびに ASTM D1426 など、いくつかの規格においてイオン測定によるアンモニウムの分析が説明されています。この Application Bulletin では、これらの規格に準じた測定について、他のサンプルの測定や、アンモニアイオン選択性電極の扱い方についての一般的なヒントやコツとともに説明されています。イオン選択性アンモニア電極によるアンモニウム塩中のアンモニア、硝酸塩中の硝酸含有量、ならびに有機化合物中の窒素含有量の測定は、苛性ソーダが過剰に添加される状況下でアンモニウムイオンがアンモニアガスとして放出される原理に基づいています:
NH4+ + OH- = NH3 + H2O
電極皮膜により、アンモニアは通過拡散することができます。内部溶液のpH値の変化は、ガラス複合電極にてモニタリングされます。測定される物質がアンモニウム塩の形で存在しない場合、まずその形に変換されなければなりません。有機窒素化合物、特にアミノ化合物は、濃縮硫酸で加熱することでケルダール法に準じて分解されます。炭素は、有機窒素が定量的に硫酸アンモニウムに変換される過程で、二酸化炭素に酸化されます。