リチウムイオン電池には水が含まれていてはいけません。なぜなら水がLiPF6などの導電性塩と反応してフッ化水素酸を生成してしまうからです。
電池はすべてアノード(陽極)とカソード(陰極)、セパレーター、電解質で構成されています。リチウムイオン電池の場合、アノードとカソードの材料(活物質)が金属膜の上にコーティングされています。金属膜をコーティングするには、活物質を結合剤と混合し、膜の上にスラリーの形で塗布します。
典型的なアノード材料はカーボンブラック/グラファイトですが、カソード材料にはリチウム化合物が使用されます。アノードとセパレーター、カソードの被膜は通常ロール状に巻きつけられているか、積層されています。こうしてセパレーターはアノードとカソードの接触を防いでいます。そして電解質によってアノードとカソード間に電気伝導性が生じます。
一般的には、無水の非プロトン性溶媒とリチウム塩を混合したものが電解質に選ばれます。リチウムイオン電池に使用される材料のなかには、電量法カールフィッシャー水分計で含水量が正確に、高い信頼性で測定できるものがあります。
このアプリケーションでは、以下の材料の測定を取り上げます︓
- リチウムイオン電池の原材料(電解質用溶媒、カーボンブラック/グラファイト等)
- アノードとカソードの電極コーティング剤(スラリー)
- アノードおよびカソードの被膜とセパレーター膜ならびに複合材料
- リチウムイオン電池の電解質