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医薬品や化粧品の原料は酸化しやすく、これらの品質に対する要求は世界的に高まっています。顧客と生産者は、製造、加工、原産地において最高の品質を求めています。したがって、生産者は、どの原料がこれらの要求を満たしているかを知る必要があります。さらに、オーガニック製品はますます重要な役割を果たしています。

ランシマット法を用いれば、医薬品や化粧品の原料の酸化安定性を迅速かつ確実に測定することができます。サンプルは前処理なしで測定され、酸化誘導時間はサンプルの酸化安定性に直接関連付けることができます。

この技術資料では、ランシマット法の実現可能性を説明しています。892 プロフェッショナル ランシマットを用いることで、化粧品オイルの製造に使用される様々な原料の酸化安定性を再現性よく正確に測定することができます。

全ての天然オイルはランシマットで直接測定できます。この技術資料では、ごく一部を紹介していますが、ご要望があれば、測定結果のデータをご提供することも可能です。

Determination of the oxidation stability of refined mango butter. Induction time is determined at 5.22 h.
図 1. マンゴーバター (精製)の酸化安定性の測定。酸化誘導時間は 5.22 時間と測定されました。

測定するためには、適量のサンプルを反応容器に秤量し、測定を開始するだけです。

ランシマット法では、サンプルは 一定温度(通常100 ~ 180 °Cの間) でキャリアガス(空気)にさらされます。揮発性の高い二次酸化生成物は空気流とともに測定容器に移され、測定溶液に吸収されます。ここでは導電率が継続的に記録されており、二次酸化生成物の吸収は導電率の増加につながります。この顕著な導電率の増加が発生するまでの時間は「酸化誘導時間」と呼ばれ、酸化安定性の優れた指標となります。

表 1. 892 プロフェッショナル ランシマットを用いた、さまざまな原材料の酸化安定性(酸化誘導時間)測定結果。各オイル タイプに対して n=4で測定を行いました。
サンプル (n = 4)

平均値

[h]

標準偏差

SD(abs) [h]

変動係数

SD(rel)  [%]

アーモンドオイル (コールドプレス、オーガニック、デメター) 2.64 0.06 2.2
アルガンオイル (脱臭済み、オーガニック) 5.56 0.10 1.7
カシューオイル (二酸化炭素抽出、オーガニック) 6.55 0.18 2.8
ココナッツオイル (オーガニック) 76.05 0.79 1.0
マンゴーバター (精製) 11.15 0.22 1.9

ここでは、化粧品オイルのごく一部をご紹介します。実証試験を行いましたオイルサンプルの全リスト(50種類以上)については、お近くのメトロームにお問い合わせください。実証された方法はすべてのオイルサンプルで変動係数 SD(rel) ≤ 10%の許容値を示しています。

化粧品で使用されるほとんどの天然オイルは、ランシマット法で酸化安定性を直接測定することができます。最終製品の品質を一定に保つためには、原料の品質が重要です。ランシマットを用いれば、同時に8つの異なるサンプルを測定することができます。

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