酸性銅めっき浴は、主に半導体ウエハー上へのCu成膜に用いられます。塩化物が少量含まれていると、成膜速度が上がり、アノード分極が抑えられます。しかし、濃度が高くなりすぎるとCu成膜の品質が低下するため、好ましくありません。したがって、効率よく高品質のCu成膜を行うには、塩化物イオン濃度のモニタリングがきわめて重要です。
ここでは、電位差自動滴定装置を使用した酸性銅鍍金液浴中の塩化物イオン測定を紹介しています。
この技術資料では、完全自動化された自動滴定装置をご紹介します。イオンクロマトグラフィと比較して、滴定にはサンプル希釈の必要がなく、装置が比較的安価であるという利点があります。さらに、全自動滴定装置により、操作ミスを最小限に抑え、作業負担を軽減し、優れた再現性を保証することができます。
このメソッドは、酸性銅めっき液で行われます。特別なサンプル前処理は必要ありません。
この分析は、814サンプルプロセッサー、Ag2SコーティングされたiAg-Titrode、905 Titrandoからなる自動滴定システムで行われます。
適量のサンプルに5mLの硝酸を加えて試料を酸性にします。その後、電極のガラス膜と銀リングが浸漬するまで純水を加え、硝酸銀滴定液を用いて終点まで滴定します。
本分析では妥当な結果と良好な滴定曲線が得られました。分析対象のサンプルには、相対標準偏差0.31% (n = 10) で、49.17 mg/Lの塩化物イオンが含まれていました。滴定曲線の例を図2に示します。
滴定は、酸性銅めっき液中の塩化物イオン濃度を測定する方法として、正確かつ信頼できるメソッドです。
814サンプルプロセッサを使用することで、完全に自動化された測定が可能になり、オペレーターの貴重な時間を節約し、ラボの生産性を向上させることができます。さらに、分析を完全に自動化することで、再現性が向上し、不適切な取り扱いによる分析の失敗を減らすことができます。
Internal reference: AW TI CH1-1130-022013