アルカリ度(酸消費量と呼ばれることもあります)は、サンプルの酸を中和する能力の指標となります。主に炭酸水素塩や炭酸塩含有量に依存して決まります。したがって、総アルカリ度(M-アルカリ度)と炭酸塩アルカリ度(P-アルカリ度)の区別がなされます。
総アルカリ度(M-アルカリ度)は、塩酸を滴定溶液とした滴定によりpH 4.5まで行われます(pH4.5は、指示薬メチルオレンジの変色点となります。)。終点をpHが8.3とした場合は、炭酸塩アルカリ度(P-アルカリ度)となります。(pH 8.3は、指示薬フェノールフタレインの変色点となります。)
この技術資料では、滴定による水のpHとアルカリ度の測定方法を解説しています。この手法は、EPA 310.1、標準方法2320 B(滴定法)、ASTM D1067、さらにEN ISO 9963-1と9963-2、上水試験法、JIS K 0400-15-10及び-20に準拠しています。(JIS k 0400-15-20 の終点は、pH5.4ですが、滴定装置の設定を変更することで対応できます。)
この技術資料では、水道水をサンプルとしています。サンプルの前処理は不要です。
測定は、dUnitrode電極(温度センサー Pt1000 内蔵)を装備した OMNISプロフェッショナルタイトレーター によって行います(図1)。
ピペットを用いてサンプルを滴定ビーカーに分取し、pH測定を行います。その後、塩酸滴定溶液を用いて、固定終点(FP)pH 8.2 または 4.5 まで滴定を行い、総アルカリ度(M-アルカリ度)と炭酸塩アルカリ度(P-アルカリ度)を求めます。
この手法は、表1に示されているように非常に正確な結果が得られます。水のアルカリ度滴定の代表的な滴定カーブは、図2に示されています。
表1. 水道水の総アルカリ度(M-アルカリ度)と炭酸塩アルカリ度(P-アルカリ度)の測定結果(単位:mmol/L、n = 5)
*単位は[mg CaCO3/L] にも変更できます。
サンプル (n = 5) | P-アルカリ度 mmol/L | M-アルカリ度 mmol/L |
---|---|---|
平均値 | 0.039 | 2.261 |
SD(abs) | 0.002 | 0.001 |
SD(rel) in % | 5.7 | 0.1 |
今回のアルカリ度の滴定手法は、水道水中のp値およびm値を正確に測定するために使用されます。この手法は、EPA 310.1、米国標準方法2320 B(滴定法)、ASTM D1067、さらにEN ISO 9963-1と9963-2、上水試験法、JIS K 0400-15-10及び-20に準拠しています。(JIS k 0400-15-20 の終点は、pH5.4ですが、滴定装置の設定を変更することで対応できます。)
正確で信頼性の高いアルカリ度の測定は、Pt1000内蔵のdUnitrode電極を備えたOMNIS プロフェッショナルタイトレーターを用いることで簡単に行えます。このシステムは、柔軟性と高度なソフトウェアを兼ね備えています。dUnitrode電極は、pH測定や水サンプルでの滴定に適しています。固定式のグラウンドジョイントダイヤフラムは汚染に強く、電極は高温環境下でも測定できます。
測定の精度と速度を向上させるだけでなく、OMNISは他の確立された滴定システムと同等以上の測定結果が得られます。