肥料は、植物を育てるための必須栄養素をより多く供給するため、農業分野において用いられます。いわゆる「NPK」肥料は、3つの主要成分 (N - 窒素、P - リン酸、K - カリウム) によって植物にそのような栄養素を与えます。肥料中では窒素は、硝酸アンモニウム (NH4NO3)、アンモニア (NH3) ならびに尿素 (H2NCONH2) の3つの形態で主に供給されます。物理的および化学的特性、取り込みおよび放出の動力学が異なるため、窒素供給化合物の混合物が使用されます。このような混合物を使用すると、過剰な窒素によって引き起こされる植物の肥料燃焼の問題が軽減されます。
窒素に関与する個々の物質の測定は、しばしば困難な作業となります。TETにより、アンモニア性窒素と尿素性窒素の量を次亜塩素酸ナトリウムを滴定試薬として用いた1度の滴定にて迅速に測定できるようになります。
このアプリケーションは、2つの異なる固体NPK肥料で実証されています。分析のために、固形肥料のストック溶液を準備します。固形肥料はメスフラスコに正確に量り入れられ、温水に溶解されます。
分析は、サーモプローブを備えた859Titrothermを使用して実行されます。化学薬品を手動で取り扱うことを避けるために、すべての溶液は846投与インターフェースを使用して自動的に投与されます。
滴定は、次亜塩素酸ナトリウムと窒素および尿素のアンモニウムとの反応に基づいています。臭化物は反応の触媒として使用されます。尿素はアンモニア性窒素よりも次亜塩素酸塩との反応が遅いため、2つのエンドポイントが得られます。
滴定の前に、サンプルはピペットで滴定容器に入れられます。必要なすべての補助溶液が自動的に投与され、容器は総量50mLの脱イオン水で満たされます。その後、次亜塩素酸ナトリウムで2番目の発熱エンドポイントが終わるまで溶液を滴定します。
サンプルにアンモニウムと尿素が含まれている場合、2つの終点を持つ滴定曲線が得られます。1つの例示的な滴定曲線を以下に示します。 図2。サンプル中の尿素量に応じて、サンプルをさらにスパイクすると、尿素の検出が向上し、2番目のエンドポイントが確実に検出されます。
NPK 17-8-10 | NPK 15-15-15 | |
---|---|---|
w(Nアンモニア)/% | 11.31 | 11.98 |
s(rel)アンモニア /% | 0.70 | 0.31 |
w(N尿素)/% | 4.51 | 2.03 |
s(rel)尿素 /% | 0.69 | 2.35 |