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分析機器適格性評価 (AIQ) について話すとき、私が最初に思い浮かべるのは、医薬品や食品などの規制産業です。

2020/12/07/aiq-part-1/2

あなたは、疑問に思うことでしょう ー なぜ、このような規制がある環境では分析機器の認証が必要なのでしょうか? なぜ、Titrando OMNISシステムにそのようなサービスが必要なのでしょうか?

ここでは消費者の安全が最も重要です。患者にとって健康被害をもたらす可能性のある医薬品や、意図した治療効果が得られない医薬品は望ましくなくコストもかかります。そのため、製造工程を保護し、致命的な影響を防ぐための措置を講じる必要があります。使用する分析機器を適格なものにすることで、有効成分や完成した医薬品が安全な環境で製造されることを保証することができます。

さらに、機器の精度と再現性を証明する手順も必須です。メトロームの適格性評価手順では、この文書が提供されます。これは、規制当局による検査や査察にも必要となる、完全にトレーサブル (追跡可能) な証拠となります。

査察官がやってきたとき

たとえば、現場査察官が米国食品医薬品局 (FDA) のガイドライン違反を発見した場合、これは査察指摘事項通知または警告状(Warning Letter)で通知されます。過去のそれら警告状などを見ると、FDA は主に認証データの完全性(データインテグリティ)に関する問題に関心があることがわかります。

典型的な警告事項としては、例えば、不適格な分析機器システムの使用や、当初は適格とされていたが、その後に校正範囲外となってしました分析機器の使用などが挙げられます。これは、規制された環境における分析機器の適格性評価は無視できないということを示しています。

メトロームコンプライアンス サービス(Metrohm Compliance Services)は、適格性評価活動の完全なデータ トレーサビリティを証明し、査察の準備を簡素化すると同時に、ラボの検査準備状態を一定に維持するのに役立ちます。

規制環境にある分析機器は、主要な規制機関のガイドラインに従って定期的に適格性確認を受ける必要があります。米国薬局方 (USP) は、分析機器適格性評価 (AIQ) に特化した章 (USP <1058>) を持つ主要な薬局方です。したがって、この章は世界的に重要であり、ラボ・分析室は直接的または間接的に規制要件の対象となります。メトロームのコンプライアンス サービスがこの重要な章に基づいているのはそのためです。

詳細はパンフレットをダウンロードしてご覧ください。

Brochure: Analytical Instrument Qualification - Confidence in quality with IQ/OQ

分析機器適格性評価(AIQ)とは具体的にどのようなものですか?

USP <1058>によれば、AIQとは 「機器がその意図された目的に対して適切に機能することを証明する文書化された証拠の収集 」のことです。これは、AIQが必要なデータの完全性(データインテグリティ)を備えた質の高いデータを生成するための基盤であることを示しています。認証された装置を使用することで、生成されたデータの妥当性と、装置が規制基準の仕様を満たしているという信頼が得られます。

AIQは1回だけ評価を受けるものではなく、機器を使用している期間にわたる継続的なプロセスです。AIQは、機器の購入前に、ユーザー要求仕様書URS)を正式に作成することからすでに始まっています。例えば、Metrohm Dual IC システムであっても、Metrohm pHメーター1台であっても、ラボの要件と使用目的を文書化する必要性は同じです。

意図された用途を明確にし、適切な技術を評価した後、購入した分析機器の「目的への適合性」を証明するために必要な適格性評価戦略を決定するためにリスク評価RA)を実施する必要があります。

次の適格性評価段階の範囲は、リスク評価の結果によって異なります。次の活動は、設計時適格性評価 (DQ)、据付時適格性評価 (IQ)、運転時適格性評価 (OQ)、性能適格性評価 (PQ) の 4 つのフェーズに分類され、「4 つの Q」と呼ばれています。

DQが機器の仕様がラボの要件を満たしていることを文書で検証するものであるのに対し、IQは機器が適切に据付られていることを証明するものです。OQフェーズでは、システムが選択された環境でメーカーの仕様通りに正しく動作することを実証し、PQでは、機器が定義された仕様通りに一貫して動作することを確認します。

機器を使用している期間中に、大規模な修理が必要になる場合や、大規模な更新やアップグレードが行われる場合、あるいは別のラボに移転される場合もあります。これらのすべての場合において、元の ユーザー要求仕様書(URS) を再度確認して、必要に応じて調整する必要があります。ユーザー要求仕様書(URS) は、必要に応じて変更および更新できる、またそうしなければならない、生きた文書です。リスク評価分析に基づいて、必要な変更 (IQ、OQ、PQ) の後に繰り返す必要がある適格性評価手順が定義されます。

やがて機器の寿命が終わり、その機器は廃棄されます。AIQ のこの最終ステップは、評価活動の「忘れられた子供」とみなされることがよくあります。これをもう少し理解するために、PC などの新しい電子機器を購入するときを考えてみましょう。状況は、新しい分析システムを購入するときと似ています。新しいものに集中する方が簡単です。つまり、適切な使用方法のトレーニングを受け、正しく動作していることを確認することに集中するのです。古いシステムがまだ存在していることを無視したり忘れたりし始めます。

したがって、機器の廃止は検証プロセスの重要な部分であり、十分に文書化されていなければなりません。古いシステムの場合、必要に応じて最終的なシステム認証が必要になることがあります。その後、すべてのデータを削除して安全な場所に保管する必要があります。古いシステムのデータを数年間読み取ることができるようにする(データを移行する)ことは、保存手順にもよりますが極めて重要なことです。

必要な時に、必要な場所でサポート

ユーザーが機器の適格性評価の責任を負っているという事実 (USP <1058>) は、すべての適格性評価活動を単独で実施しなければならないことを意味するものではありません!

メトロームは、ご購入時のアドバイスから最初の据付と適格性評価まで、装置をお使いの期間中ずっとお客様をサポ​​ートいたします。さらに、当社の IQ/OQ 文書は、現行の規制に厳密に準拠した必要な文書を提供します。メトロームのデバイスが適格な状態を維持するように、お客様の要件に従って予定された間隔で再適格性評価サービスを提供し、分析装置システムをお使いの期間中、システムの正確性と精度を保証します

メトロームを分析装置メーカーとして信頼するメリットは、私たちがIQ/OQ手順の実施に必要なすべての経験を持っていることです。最も重要なことは、当社の認定サービスエンジニアが、必要なすべての校正および認定基準機器を持参してお客様のラボ・分析室をご訪問することです。メトロームサービスの品質を確実に維持するために、弊社のサービスエンジニアは、世界的に標準化されたプログラムに従い、定期的に認定更新のトレーニングを受けています。

メトロームの装置を購入することは成功への第一歩ですが、それを適切な状態に維持することが重要な事となります! お近くの メトローム 販売店、代理店にご連絡いただければ、あとは当社にお任せください。

メトロームが全面的に対応できる適格性評価フェーズとサポートできる分野の詳細については パート 2 をご覧ください。

Introduction to Analytical Instrument Qualification – Part 2

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作成者
Casadio

Lara Casadio

Jr. Product Manager Service
Metrohm International Headquarters, Herisau, Switzerland

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