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Q11:標準的な溶離液のバックグランド電気伝導度はどのくらいですか?

A11:こちらのバックグラウンド電気伝導度表を参考として下さい。

代表的な測定条件におけるバックグランド電気伝導度をまとめました。 これらの値はあくまでも参考値ですが,これらの値を利用することで,装置の安定状態の確認や調製した溶離液濃度の確認を行うことができます。

 

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Q12:イオンクロマト用分離カラムを使う上での注意事項は何ですか?

A12:使用可能な範囲内の溶液で使用すること,過剰の流量・圧力下で使用しないことがポイントです。
イオンクロマトに用いられる分離カラムの充填剤は,一般的なイオン交換樹脂と同様に樹脂製です。イオン交換樹脂は,対イオン,塩濃度,有機溶媒濃度によって,膨らんだり縮んだり (膨潤・収縮) します。イオンクロマト用の充填剤は膨潤・収縮を抑えるように設計されていますが,若干は膨潤・収縮します。従って,使用可能範囲を大きく逸脱した溶液を通液しますと,性能の低下や圧力の上昇が発生します。

また,乾燥させてしまった場合にも同様に性能が低下してしまいます。従って,通液可能な溶液の範囲 (溶媒の種類,濃度,pH等) を必ず守って下さい。 また,使用可能な溶液であっても,高流量で通液した場合には,充填状態の変化が生じ,性能が低下してしまいますので,試料流量 (圧力) 範囲も必ず守って下さい。

その他,詳細に関しては,各分離カラムの取扱説明書を参照して下さい。

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Q13:ガードカラムを付ける必要はありますか?

A13:高価な分離カラムを保護するために,ガードカラムを付けることをお薦めします。
ガードカラムは試料中の汚染物質,粒子等から分離カラムを保護するためのものです。

一般に,ガードカラムには分離カラムと同じ充填剤が充填されています。つまり,分離カラムに吸着してカラム性能を低下させてしまう成分を捕まえてしまうことができます。これにより,分離カラムのカラム性能の低下の他,溶出時間の変動,ピーク形状の変形,未知ピークの発生等を抑えてくれます。また,ガードカラムにも分離カラムと同じカラムフィルタが装着されていますので,試料中の粒子分の捕捉が可能です。

上記のような試料の問題がない場合にはガードカラムは不要であるといえますが,有機物や粒子分が全くないという試料は考えられにくいですので,ガードカラムを接続して使用することをお薦めします。

上記の他,溶離液中の不純物によるカラム性能の低下も問題となることがありますので,この点からもガードカラムの使用をお薦めします。

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Q14:分離カラムは,どのくらい持ちますか?

A14:使用状況や保管状況により大きく異なります。
分離カラムは,試薬等と同じ「消耗品」で,使用開始後の性能保証はされていません。当然,使用可能期間も保証されていません。

カラム性能を維持し,良好な分離が得られる期間は,測定する試料及びその前処理,注入回数,測定条件,使用頻度,メンテナンス状態,保管状態等により大きく異なってきますので,使用可能期間を明言することはできません。

あくまで一例ですが,飲料水,河川水等をメンブランフィルタでろ過したものを試料とした陰イオン分析の連続注入試験では,極端なカラム性能の低下がなく数千回の測定が可能でした。この結果から使用期間を求めると,半年〜1年使用できることになります。

カラム性能を低下させることなく長期間使用させるためには,各分離カラムの取扱説明書に記載の使用条件を守り,必ず試料前処理を行った上,注入するようにして下さい。

また,ガードカラムを接続して使用し,圧力上昇や分離パターンの変化が生じたら,ガードカラムを交換するようにして下さい。 分離カラムを保管しているだけでもカラム性能が低下してしまうこともあります。

分離カラムを保管する場合には,装置からはずした後,速やかに両端を密栓して下さい。

両端が密栓されていることを確認したら,納入時に入っていた箱に入れ,温度変化の少ない場所に保存してください。絶対に充填剤を乾燥させないようにしてください。特別に限定されている場合を除き,基本的には保存時の封入液は溶離液でかまいません。詳細は,各分離カラムの取扱説明書に従って下さい。保存期間が1ヶ月以上になる場合は,約1ヶ月毎に新しい溶離液を通液して下さい。

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Q15:サプレッサーはどのくらい持ちますか?交換時期の判断基準は何ですか?

A15:使用状況により大きく異なりますが、約3年での交換をお薦めします。サプレッサーの飽和時間が短くなりましたら交換してください。
サプレッサーは,分離カラム同様測定する試料及びその前処理,注入回数,測定条件,使用頻度,メンテナンス状態により大きく異なってきますので,使用可能期間を明言することはできません。飲料水,河川水等を試料とした陰イオン分析の場合,概ね3年間使用することができます。   

サプレッサーは劣化しますとイオン交換能力 (バックグランド電気伝導度を低減できる能力) が低下し,その結果として,短時間にバックグランド電気伝導度が上昇してしまい,分析可能な時間が短くなってしまいます。また、ベースラインに明らかな乱れも発生します。このような現象が発生した場合には,サプレッサーローターを交換して下さい。  

サプレッサーの劣化原因の一つとして,サプレッサーの充填剤への汚れが考えられます。サプレッサーの充填剤が汚染された場合には,洗浄により性能を回復できる可能性があります。有機物の汚染に対しては水と混和する有機溶媒 (アセトニトリルやメタノール等) を通液して下さい。通常,有機溶媒濃度が50%程度の溶液を通液して洗浄しますが,有機溶媒100%であってもサプレッサの性能を低下させることはありません。また,金属による汚染に対してもEDTA-2Naを流すことにより洗浄することが可能です。 詳細な洗浄方法に関しては,別途お問い合わせください。

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