二リン酸塩としても知られるピロリン酸塩は、主に食品化学の分野で乳化剤として使用されます。また、防腐剤、抗酸化剤、離型剤、膨張剤などの有用な性質も持っています。ピロリン酸塩は、錯化剤や酸度調節剤としても機能するため、幅広い用途を有しています。
しかし、ピロリン酸塩は重度のアレルギー反応を引き起こし、骨粗鬆症の発症につながる可能性があります。このため限られた量でのみ使用する必要があります。したがって、食品や飲料製品に含まれるピロリン酸塩含有量の測定は重要な課題となっています。
この技術資料では、OMNIS サンプル ロボット S と dUnitrode電極を備えたOMNIS 自動滴定装置を使用して、水溶液中のピロリン酸塩含有量を正確に測定する方法を紹介しています。
このアプリケーションは、ジャガイモ工程槽からのさまざまなサンプルで実験されています。
サンプルの準備は必要ありません。
適量のサンプルを秤量して滴定ビーカーに入れ、脱イオン水を加えます。pHを測定し、必要に応じてpH3~6に調製します。
硫酸亜鉛を添加した後の最初のステップでは、ピロリン酸錯体と硫酸が次の反応メカニズムを介して形成されます。
Na2H2P2O7 + 2 ZnSO4 → Zn2P2O7 + Na2SO4 + H2SO4
2 番目のステップでは、生成された硫酸を水酸化ナトリウムで滴定して、サンプル中のピロリン酸含有量を測定します。
測定は、dSolvotrode電極を備えたOMNIS Sample Robot S 自動滴定装置を使用しました。(図1)。
表1 と 表 2.の通り、非常に正確な結果が得られます。
表1。 異なる水性サンプル中のピロリン酸測定の結果。
サンプル (n = 3) | ピロリン酸 % | SD(rel) in % |
---|---|---|
1 | 7.48 | 0.0 |
2 | 5.32 | 0.1 |
3 | 9.84 | 0.1 |
4 | 8.48 | 0.1 |
5 | 15.87 | 0.3 |
表 2.
表 1 のサンプル中のピロリン酸測定の結果 のそれぞれに 5.0 g/L Na2H2P2O7 を添加
サンプル Na2H2P2〇7を添加 |
期待値 % | 回収率 (%) |
---|---|---|
1 | 12.48 | 99.2 |
2 | 10.32 | 100.0 |
3 | 14.84 | 98.6 |
4 | 13.48 | 97.8 |
5 | 20.87 | 101.4 |
滴定は、水性製品中のピロリン酸塩含有量を測定できる正確な分析手法です。dUnitrode電極を備えた OMNIS 自動滴定装置は、信頼性の高い測定がおこなえます。この自動化されたシステムは、ハイエンドのソフトウェアと組み合わせて柔軟な分析が可能です。